福岡県で痴漢容疑をかけられた方へ|手続き・処分・示談の効果を解説

福岡県内で痴漢を疑われ、警察から呼出しを受けたり、ご家族が逮捕されたりすると、「前科がつくのか」「示談で解決できるのか」が気になると思います。

処分は、適用される罪名、行為の内容、前科・前歴の有無、示談や被害回復などによって変わります。本記事では、捜査から裁判までの流れ、処分の見通し、示談金の目安と示談の効果を、ご本人・ご家族に向けて説明します。

目次

福岡県で痴漢容疑をかけられた時にまずすべきこと

まずは、疑われている日時・場所・行為と、現在置かれている状況を確認してください。警察から連絡が来た場合は、担当部署、担当者、呼出し日時を控えます。逮捕されていない在宅事件でも捜査は進むため、放置せず、取調べの前に弁護士へ相談することが大切です。

電車内での痴漢を疑われている場合には、当時の乗車区間、立ち位置、手の位置、同行者、やり取りを、覚えている範囲で記録しましょう。交通系ICカードの履歴や連絡記録などは削除せず保全します。

被害を申告した相手を自分で探し出したり、謝罪や取下げを繰り返し求めたりすることは避けてください。相手の恐怖を与えますし、逮捕のリスクが高めます。

痴漢行為に適用される罪名と法定刑

福岡県迷惑行為防止条例違反

「痴漢罪」という名前の犯罪があるわけではありません。福岡県では、公共の場所や乗物で、正当な理由なく人を著しく羞恥させたり不安を覚えさせたりする方法で身体に触れる行為は、福岡県迷惑行為防止条例違反として処罰されます。直接触れる場合だけでなく、衣服の上から触れる場合も含まれます。

条例違反の痴漢の場合には、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が科せられます。常習的な痴漢と判断される場合には重くなり、2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金が科せられます。

不同意わいせつ罪

一方、不同意わいせつ罪(刑法176条)は、暴行・脅迫のほか、不意打ちやすれ違いざまなどの無抵抗状態を利用する場合にも成立します。痴漢行為にもこの犯罪が適用されることがあります。

不同意わいせつの場合、6か月以上10年以下の拘禁刑が科せられ、罰金刑はありません。ですので、起訴された場合には必ず法廷で裁判を行います。書面審査で済ませる略式罰金となる余地はありません。

どちらで処罰されるか?

どちらの罪で処罰されるかは、その行為の内容や被害者の状況などにより異なります。条例違反なのか不同意わいせつ罪なのかにより今後想定される処罰の内容が大きく変わります。

警察から痴漢容疑をかけられた場合には、自分がどちらの罪で捜査されているのかを確認することが重要です。

捜査から処分と裁判までの流れ

捜査は、身柄を拘束しない在宅事件と、逮捕・勾留を伴う身柄事件に分かれます。

在宅事件

在宅事件では警察から呼出しを受け、取調べが行われます。警察が捜査を終えると書類送検(事件を検察官に送ること)がなされて、事件を引き継いだ担当検察官があなたを取り調べます。

そして、最終的に検察官が起訴するかどうかを判断します。在宅捜査が開始されてから事件終了までの期間に法律上の定めはなく、一律ではありません。通常は事件終了までに数ヶ月を要し、否認事件では1年程度要することもあります。

身柄事件

身柄事件の場合、警察が逮捕すると、原則として48時間以内に検察官へ送致する手続をするか、釈放します。送致を受けた検察官は、原則24時間以内かつ逮捕から72時間以内に、勾留請求・起訴・釈放を判断します。裁判官が認めた起訴前の勾留は請求日から原則10日、延長は最長10日です。ですので、起訴前の身体拘束期間は最長23日間です。

勾留最終日、検察官は起訴・不起訴を判断します。不起訴の種類には、嫌疑なし・嫌疑不十分のほか、犯罪が認められても事情を考慮する起訴猶予があります。起訴の場合、条例違反では要件を満たせば書面審理の略式手続による罰金となることもあります。正式裁判では審理を経て判決が言い渡されます。

痴漢事件の処分の見通しを左右する事情

痴漢事件、処分の相場は?

初犯の条例違反の場合には、略式罰金となることが多いです。略式罰金の場合には書面審理のみ行われて法廷で裁判をすることはありません。ただし、罰金刑であっても前科が付くことには要注意です。

初犯の不同意わいせつ罪の場合には、公判請求(法廷で刑事裁判を行うこと)されます。そして、刑事裁判の末、拘禁刑が言い渡されます。

執行猶予が付くかどうかはわいせつ行為の内容、反省の程度、被害弁償や示談の有無、前科前歴の有無、被害者の処罰感情などの多岐に事情を踏まえて判断されます。「初犯だから執行猶予だろう」と安易に考えるのは危険です。また、執行猶予であっても前科は付きます。

処分を左右する事情

どのような処罰になるかは、犯罪行為の内容、動機、結果の重大性といった事件の内容を基本としつつ、犯人の性格、年齢及び境遇、示談や被害者への弁償、前科前歴の有無、更生環境、反省の程度など、諸般の事情に照らして判断されます。

参照:裁判手続 刑事事件Q&A

そして、この様々な事情の中で非常に重視される事情が示談です。示談の有無があなたの人生を左右するといっても過言ではありません。

痴漢事件の示談金相場と金額が変わる理由

痴漢事件の示談とは

痴漢事件の示談とは、真摯な謝罪と賠償金の支払いを前提に、宥恕(事件のことを許してもらうこと)を得ることです。さきほど申し上げたとおり、痴漢事件の場合には、①条例違反のケース、②不同意わいせつ罪のケースに分けられるため、それぞれの示談金相場を確認する必要があります。

福岡県迷惑行為防止条例違反のケース

示談金に法律で決まった金額は存在せず、最終的には双方の合意により決まるものです。また、事件の経緯やわいせつ行為の内容、被害者が置かれた事情により変動します。

それでも示談金には相場というものがあり、妥当と思われる相当額の範囲があります。それで言うと、条例違反の痴漢事件では、20万円〜50万円が示談金相場といえます。

不同意わいせつ罪のケース

不同意わいせつが問題となる事件でも、触れた部位や方法、回数・時間、被害者の年齢、精神的苦痛等の様々な事情により示談金額は変動します。

不同意わいせつ罪であっても、条例違反に近いケースの場合には20万円〜50万円が妥当と考えられる事案も存在します。ただし、不同意わいせつ罪の場合、条例違反の痴漢より悪質性が高いと判断されることが多いため、一般的には50万円〜100万円が目安といえます。

示談が成立した場合の処分の見通し

示談の成立、示談金の支払い、被害者の処罰に関する意向は、検察官が起訴猶予を判断する際の重要な事情となり得ます。示談の成立と示談金の支払いまでできれば、その内容を処分判断の資料として検察官や裁判所に提出することを検討できます。

初犯の場合、条例違反でも、不同意わいせつ罪でも、起訴前に示談が成立すれば不起訴処分となる可能性が十分に考えられます。

起訴後でも、謝罪や被害回復の状況を裁判所に示し、量刑上の考慮を求めることができ、執行猶予の可能性が高まります。

示談交渉の進め方と注意点

痴漢事件の示談交渉は、ご自身やご家族が直接被害者と面会して協議することはできません。警察はあなたに被害者の情報を教えてくれませんし、仮に被害者が知人であっても直接交渉を行うことはさらなるトラブルを招き、逮捕リスクを急激に高めます。

そこで、痴漢事件の示談交渉は弁護士に依頼して行うことが必要です。あなたに依頼された弁護士は、捜査機関などを通じて被害者側の連絡の意向を確認し、連絡を認めてもらえた場合に交渉を進めます。連絡先を当然に教えてもらえるわけではなく、被害者には交渉や示談に応じない自由があります。謝罪の方法も相手の負担を考えて検討します。

弁護士と被害者が実際に交渉を行い、示談条件がまとまったら、示談書の取り交わしを行い、示談金の支払いをします。示談金の支払いも、弁護士があなたから示談金を預かって被害者に支払います。

福岡県の痴漢事件を弁護士に相談するタイミング

警察から呼出しを受けた時点、逮捕を知った時点など、できるだけ早い段階で相談してください。弁護士は、罪名と証拠の確認、取調べへの対応、身柄解放の申立て、示談交渉、処分に向けた資料の提出など、段階に応じた対応を検討します。

相談時には、呼出し日時、逮捕の有無、疑われている行為、認める部分と争う部分を伝えると整理しやすくなります。

福岡弁護士法律事務所では、これまで痴漢事件の相談・依頼を数多く受けてきた2名の弁護士があなたのご相談に親身に対応します。初回相談は30分無料、夜間や土日祝日も相談可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

成瀬弁護士

悩んでいるだけでは事件は解決しません。まずはお気軽に事務所までお問い合わせください。

この記事を書いた人

成瀬 潤のアバター 成瀬 潤 福岡弁護士法律事務所 共同代表弁護士

福岡県弁護士会所属(登録番号52748)
弁護士登録後、刑事弁護に注力し、刑事事件の相談件数は累計2000件を超える。座右の銘は「至誠通天」。依頼者の悩みに親身に寄り添い事件を解決へと導く。粘り強い示談交渉力が強み。

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