【傷害罪】処罰の相場、示談金、不起訴の可能性を詳しく解説

突然のトラブルで「傷害罪」の加害者となり、今このページをご覧になっているあなたは、言いようのない不安と焦りの中にいるはずです。
「警察から連絡が来るのではないか」「会社をクビになるのか」「前科がついて人生が終わってしまうのか」――。
傷害罪は、できるだけ早い段階での対処がその後の人生を決定付けます。
放置すれば逮捕や起訴のリスクが高まりますが、適切な法的措置を講じれば「前科をつけない(不起訴)」という未来は十分に勝ち取れます。
この記事では、福岡の弁護士が傷害罪について解説し、あなたが今すぐ取るべき行動をご提案します。
- 傷害罪はどのような場合に成立するか
- 傷害罪の捜査はどのような流れで進むか
- 傷害罪の刑事処罰と処罰の相場
- 解決の決定打となる示談のメリットと示談金の目安

傷害罪はどのような場合に成立するか?
「傷害」の定義
傷害罪は、相手に暴力を振るって怪我をさせた場合に成立する犯罪です。
条文を見る
刑法第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
この「傷害」とは、人の生理機能または人の健康状態を不良に変更することを意味します。
例えば、次のようなケースが典型例です。
- 相手を殴り、青あざを作らせた。
- 突き飛ばして転倒させ、擦り傷を負わせた。
- 髪の毛を強く引っ張り、頭皮に炎症を起こさせた。
しかし、傷害罪となるのは、殴る蹴るなどの暴行を加えるケース以外にもあります。
暴力以外で傷害罪が成立するケース
法律は、相手に傷害を加える方法について、暴行(人の身体に対する有形力の行使)に限定していません。
ですので、暴行を手段とする場合に限らず、無形的方法や不作為の方法によって傷害罪となるケースもあります。
例えば、次のようなケースも傷害罪として処罰されるのです。
- 無言電話などで人を極度に恐怖させて精神衰弱症にしたケース(東京地判昭和54.8.10)
- ラジオの音声、目覚まし時計のアラームで、慢性頭痛症、睡眠障害などを負わせたケース(最決平成17.3.29)
- 睡眠薬を摂取させて数時間意識障害などを伴う急性薬物中毒症状を起こさせたケース(最決平成24.1.30)
度を超えた嫌がらせ行為も、それにより相手が健康を害することがあれば、傷害罪が成立する可能性があります。
犯罪の故意が必要
犯罪が成立するためには、故意(罪を犯す意思)が必要ですので、故意がなければ傷害罪は成立しません。
では、傷害罪で故意があると認定されるのは、どのような場合でしょうか?
次のような場合には、傷害罪が成立させるだけの故意があると認定されます。
- 相手が負傷することを期待して、暴力を振るった場合
- 相手が負傷するかもしれないことを承知の上で暴力を振るった場合
- 相手が負傷することを意識せずに暴力を振るった場合
相手が怪我することを意図して暴力を振るった場合には当然故意が認められます。
注意すべき点は、相手が怪我をすることまで望んでいなくても、暴力を振るう意図だけあれば故意が認められ、傷害罪は成立してしまう、ということです。
暴力以外の手段を使う場合
先ほど、暴力行為以外で傷害罪が成立するケースを見ました。
例えば、無言電話やラジオの音声などで傷害を起こさせるものです。
このような暴力行為以外の無形的手段や不作為による手段を用いる場合、傷害を負わせることを理解し、「傷害を負わせることになっても構わない」という意思が必要だと考えられています。
暴力行為を用いて傷害を負わせるのか、暴力行為以外の手段を用いて傷害を負わせるのかによって、故意のレベルが異なるということです。
まとめ
以上見てきたように、傷害罪は次の2つの要件があれば成立します。
- 暴力または暴力以外の手段を使うこと
- これにより相手が傷害を負うこと
- 故意があること
相手に怪我を負わせようと思って暴力を振るったものの、相手が怪我をしなかった場合には、暴行罪が成立するにとどまります。
| 暴力を振るったか | 怪我をさせるつもりはあったか | 実際に怪我をしたか | 成立する犯罪 |
| 傷害罪 | |||
| 暴行罪 | |||
| 傷害罪 | |||
| 暴行罪 |
ちなみに、傷害罪の公訴時効は10年です。
事件から10年が経過すると、検察官は起訴できなくなります。
捜査の流れ
刑事事件の捜査は、身柄事件(逮捕されるケース)と在宅事件(逮捕されないケース)のどちらが進みます。

身柄事件(逮捕されるケース)
証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合、逮捕されます。
- 逮捕(最長72時間): 外部との連絡は遮断されます。
- 勾留(10日間〜20日間): 一般的に警察署の留置場に拘束されます。この勾留の最終日に起訴・不起訴が決まることが多いです。
- 起訴・裁判: 裁判所での審理が始まります。
身柄事件の場合に、不起訴を勝ち取りたいのであれば、身柄拘束期間中(最大23日間)に示談をしなければなりません。示談ができない場合には起訴されることが多いです。
在宅事件(逮捕されないケース)
証拠隠滅や逃亡の恐れがないと判断された場合、自宅に居ながら捜査が進みます。この場合には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
- メリット
仕事や学校に行きながら日常生活を送れる。時間的余裕をもって示談交渉に臨める。 - デメリット
捜査の時間制限がないため、捜査が数ヶ月以上に及ぶことがあり、精神的な負担が長期化する。
在宅事件の場合でも、最終的に検察官の終局処分が待っています。つまり、検察官が起訴するか、不起訴にするかを決めるということです。
特に容疑を認めている事件では、示談をしなければ不起訴に獲得は非常に困難です。早めの示談交渉を心がけましょう。
前科を回避する示談の重要性
身柄事件であっても、在宅事件であっても、身柄拘束の有無や捜査の期間が異なるだけで、捜査が進むことに変わりはありません。
そして、捜査が進む以上は、起訴・不起訴の処分が待っています。
起訴された場合には、高い確率で刑事処罰を受ける(つまり前科が付く)のが実情です。
傷害罪の容疑を認めている場合には、どれだけ反省していようと、示談ができていなければ起訴される可能性が非常に高いのです。
どのような流れで捜査が進もうと、前科を回避する鍵は示談にあるということをご理解ください。
刑事処罰の内容と相場
傷害罪の罰則規定は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっており、幅が広いです。
ですが、これまでの傾向(量刑相場)からすると、以下のような目安をご提示できると考えています。
| 態様 | 初犯の相場 | 再犯や悪質 |
| 軽微な怪我 | 略式罰金 | 略式罰金 |
| 中程度の怪我 | 略式罰金 or 執行猶予 | 執行猶予 |
| 重傷(骨折・後遺障害) | 執行猶予 or 実刑 | 実刑の可能性あり |
なお、初犯の場合、示談が成立していれば不起訴になる可能性が高いです。不起訴(前科阻止)の鍵は示談にあります。
示談のメリットと示談金相場
傷害事件で示談をするメリット
傷害事件(特に初犯や軽微な怪我)の場合、被害者と「示談」が成立すれば、不起訴になる確率が高いと考えられます。
不起訴とは、刑事処罰なく事件が終了することです。この場合には前科が付きません。
前科が付かなければ、今後の生活に与える支障は小さく、平穏な生活を取り戻すことができます。
傷害事件を起こした場合には、早めに示談交渉を進めましょう。
また、身柄拘束されている事件では、早く示談をすれば、その分だけ早く釈放される可能性が生まれます。
さらに、示談の中では、今後追加で金銭を請求しないことを約束する清算条項というものを取り交わす場合が多いです。
この場合には、民事上のトラブル(紛争の蒸し返し)を防ぐこともできます。
- 不起訴処分の獲得: 被害者が「許す(処罰を望まない)」という意思表示をすれば、不起訴になる確率が高い。
- 早期釈放: 逮捕勾留されている場合、示談成立により早期に釈放されるケースが多い。
- 民事トラブルの同時解決: 後から多額の慰謝料を請求されるリスクがなくなる。
示談金の相場
傷害事件の場合、相手が怪我をしていることから、治療費・通院のための交通費・休業損害・慰謝料などの金額を合計した金額を支払わなければならない可能性が出てきます。
示談金=治療費+通院のための交通費+休業損害+慰謝料+その他実費
様々なサイトで傷害罪の示談金相場が紹介されています。しかし、相手のお怪我の内容や程度によって大きく異なりますし、治療費などの実費がいくら発生するかも治療状況によります。簡単に相場を示せるものではないと考えます。
ただし、慰謝料は、交通事故賠償案件の慰謝料金額と同水準とされている例が多いので、慰謝料についてはこれを目安と考えて良いと思われます。
そして、交通事故賠償案件の慰謝料金額は、通称「赤い本」という書籍の表をもとに計算しています。
この赤い本の表をもとにご紹介すると、怪我をして通院治療のみを行なったケースでは、以下の金額になります。
| 通院期間 | 重傷 | 軽傷 |
| 通院1ヶ月 | 28万円 | 19万円 |
| 通院2ヶ月 | 52万円 | 36万円 |
| 通院3ヶ月 | 73万円 | 53万円 |
通院がより長期になった場合、相手に後遺症が残った場合、入院をしている場合には、より複雑な計算が求められます。
この場合には、弁護士に直接相談し、示談金の目安を聞いてください。
よくあるQ&A
傷害罪のご相談は福岡弁護士法律事務所にご相談で!
傷害罪の加害者になったとき、事件から目を背けたいばかりに、事件を過小評価してしまうこともあるでしょう。
しかし、その躊躇が「逮捕」や「一生消えない前科」を招きます。
あなたの人生、そして家族の生活を守るために、今すぐプロである弁護士への相談を検討してください。
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