【資格喪失】理学療法士が逮捕や捜査をされたらどうなる?|刑事事件による資格剥奪のリスクと対策を解説

「もし、このまま前科がついたら、理学療法士の免許はどうなるのか…」「職場に知られ、解雇されてしまうのではないか」
不慮の事故や、一瞬の気の迷いから刑事事件の加害者となってしまった理学療法士の皆様。
今、あなたが抱いている不安は極めて真っ当な感覚です。理学療法士は「人の命や身体」を預かる国家資格職であり、一般職以上に厳しい社会的・法的責任が問われます。
しかし、「逮捕や捜査=即、免許剥奪」ではありません。 早期に適切な弁護活動を行うことで、最悪の事態を回避できる可能性は十分にあります。
この記事では、福岡の刑事弁護士が、理学療法士が刑事事件を起こした際のリスクと対策を徹底解説します。
- 理学療法士が刑事事件で失職する「欠格事由」の内容
- 逮捕から起訴・判決までの刑事手続の流れ
- 理学療法士が資格を死守する方法と示談交渉の重要性
欠格事由とは?
国家資格にはそれぞれの資格に応じた法律があり、そこには欠格事由が定められています。
欠格事由とは、その国家資格に合格しても免許を与えない事情のことです。この欠格事由には、絶対的欠格事由と相対的欠格事由の2種類の欠格事由があります。
- 絶対的欠格事由
特定の事情がある場合に、絶対に免許を与えないことにしているもの。 - 相対的欠格事由
特定の事情がある場合に、免許を与えるかどうかを個別判断しているもの。この場合、免許を取得できることもあれば、取得できないこともある。
理学療法士に欠格事由はある?
理学療法士の欠格事由は、理学療法士及び作業療法士法(以下、「理学療法士法」と略します)に規定されています。
理学療法士法第4条には、次のとおり規定されています。
(欠格事由)
第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 罰金以上の刑に処せられた者
二 前号に該当する者を除くほか、理学療法士又は作業療法士の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者
三 心身の障害により理学療法士又は作業療法士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
このように、理学療法士法第4条に相対的欠格事由が存在し、理学療法士になろうとする者が刑事事件を起こして罰金以上の刑に処せられた場合には免許が与えられないことがあります。

すでに理学療法士の場合は?免許の取消事由!?
理学療法士法第4条は、これから理学療法士になろうとする人が罰金以上の刑事処罰を受けた場合でした。
では、すでに理学療法士として仕事に従事している人はどうなるでしょうか?
理学療法士法第7条は次のように規定しています。
(免許の取消し等)
第七条一項 理学療法士又は作業療法士が、第四条各号のいずれかに該当するに至つたときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて理学療法士又は作業療法士の名称の使用の停止を命ずることができる。
つまり、刑事事件を起こして罰金以上の刑に処せられるなど、第4条の欠格事由に該当する場合には、免許を取り消したり、停止になる場合があります。
資格剥奪を回避する対策法
不起訴を獲得すること
理学療法士が刑事事件を起こしてしまった場合、資格剥奪のリスクを回避する近道は、不起訴処分を獲得することです。
刑事事件は、在宅事件と身柄事件のいずれかの方法で捜査が進みます。ただ、いずれであっても、最終的に検察官の終局処分が待っています。
検察官の終局処分とは、起訴するか不起訴にするかを決めることです。起訴されれば罰金以上の刑事処罰を受ける可能性が非常に高いです。一方で不起訴になれば、刑事処罰を受けることはなく、欠格事由や取消事由に該当しないことになります。
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ですので、理学療法士は、資格剥奪のリスクを回避するために不起訴処分を獲得することを考えてください。
どうすれば不起訴処分を獲得できる?
では、どうすれば不起訴処分を獲得できるでしょうか?
不起訴処分を獲得する方針は大きく3つに分けられます。それが次の3つの方針です。
- 示談をする
- 容疑を否認する
- 容疑を否認しつつ示談をする

どのようなケースで、どの方針を取るべきかを確認しましょう。
示談をする
1つ目の方針は「示談をする」です。
これは容疑を認めている場合に、被害者と示談をして不起訴(起訴猶予)を目指すものです。
被害者と示談をして「許し」(宥恕)を得ることで、検察官が不起訴処分にしてくれる可能性が高まります。
この方針を取るケースは、次の事情を満たす場合です。
- 容疑を認めていること
- 被害者のいる事件であること
※被害者のいない事件とは、酒気帯び運転などです。 - 示談金及び弁護士費用を用意できること
語弊を恐れずに申し上げると、容疑を認めているケースでは示談をしないと不起訴にならないという感覚を持っていただいた方が良いです。
容疑を否認
2つ目の方針は「容疑を否認する」です。
これは、容疑に心当たりがなく、犯罪をしていない場合に取る方針です。
不起訴になる理由には、①起訴猶予、②嫌疑不十分があります。
起訴猶予とは、犯罪の有罪立証ができるだけの証拠が揃っていて起訴することはできるものの、情状事情を考慮して起訴を見送る場合です。
これに対して、嫌疑不十分は、有罪を立証するだけの証拠が揃わないために起訴ができない場合です。容疑を否認する場合には、これを狙うことが一般的です。
嫌疑不十分を狙うには、取調べでどのような対応をするかが非常に重要です。弁護士と打ち合わせた上で取調べ対応を決めてください。
容疑を否認しつつ示談をする
3つ目の方針は「容疑を否認しつつ示談をする」です。これは犯罪をしたつもりはないけれど、被害者に対して一定の謝罪をする理由がある場合に取る方針です。
一定の謝罪をする理由とは、例えば…
- 故意に器物損壊をしたわけではないが、他人の物を壊したことは事実である場合
- 同意のもと性行為をしたと認識しているが、加害者側と被害者側に認識のズレがある場合
など、故意に犯罪をしていないが結果が発生しているケースや犯罪をしたつもりはないが行為をした事実は存在するケースです。
この場合には、①容疑を否認してその主張が通れば嫌疑不十分として不起訴になりますし、②示談をしていれば起訴猶予で不起訴になる可能性があります。
どの方針を選ぶかは弁護士と相談
最終的にどの方針を選ぶかは弁護士と相談して決めてください。
ご自身では最も良い選択を選んだと思っていても、法的観点から見るとリスクの高い結果だという場合もあります。
専門家の意見も踏まえて、ご自身が取ろうとしている方針が良いものなのかどうか見極めてください。
刑事事件のよくあるQ&A
Q. 初犯なら何もしなくても不起訴になりませんか?
A. 可能性はありますが、基本は略式罰金だと考えた方が良いです。痴漢や盗撮、公然わいせつなどの性犯罪は初犯であっても罰金刑が基本ですし、その他の事件でも起訴が基本だと考えます。そして、理学療法士法では、罰金以上の刑は「相対的欠格事由」とされ、免許取消や免許停止の可能性があります。全力で不起訴を目指すべきです。
Q. 職場にバレずに解決できますか?
A. 早期の弁護活動次第で可能です。 例えば、弁護士であれば警察などに働きかけて職場への連絡を控えてもらうよう依頼することができます。学生の場合には学校への連絡を控えるよう説得することができます。逮捕された場合でも、早期に釈放されれば職場や学校にバレずに済む可能性があります。
Q. 罰金以上の刑になっても必ず免許を剥奪されるわけではありませんよね?
A. はい、そうです。理学療法士法は相対的欠格事由としているので、罰金以上の刑になったからといって、必ず免許が剥奪されるわけではありません。しかし、不起訴になった場合と罰金以上の刑を受けた場合、どちらが印象がいいかは一目瞭然です。不起訴の方がより免許剥奪リスクを回避できる可能性が高いでしょう。
理学療法士の方は今すぐご相談ください
理学療法士という職業は、信頼がすべてです。ひとたび刑事事件に巻き込まれれば、あなたがこれまで積み上げてきたキャリア、そして患者様との絆が一瞬で崩れ去る危険があります。
しかし、諦めるのはまだ早すぎます。
福岡弁護士法律事務所は、数多くの刑事事件を解決し、国家資格職の方々の弁護も担当させていただいております。
あなたの未来、そして守るべき生活を、私たちに託してください。 まずは一本のお電話から、解決への一歩を踏み出しましょう。






