【脅迫罪】脅迫事件の捜査の流れや量刑相場、示談金額を詳しく解説

「感情に任せて送り、相手を脅してしまった」
「軽い気持ちでやったことが刑事事件になった」

警察から連絡が来た今、あなたやご家族は、経験したことのない不安の中にいるはずです。

脅迫罪は、一瞬の感情の爆発が一生消えない前科に直結します。

しかし、適切な初動対応を取れば、逮捕の回避や前科の回避(前科を付けないこと)は十分に可能です。

本記事では、福岡で数多くの刑事事件を解決してきた弁護士が、脅迫罪について詳しく解説します。

この記事で分かること
  • 脅迫罪が成立する場合
  • 逮捕されるケースと、在宅捜査で済むケースの境界線
  • 脅迫罪の刑罰と量刑相場
  • 示談のメリットと示談金相場
  • 前科を阻止するために、今すぐあなたがすべき行動
目次

脅迫罪の成立条件

脅迫は、相手を脅すことによって成立する犯罪です。

しかし、脅せば何でも脅迫罪になるわけではありません。法律上、脅迫罪が成立するのは、次の3つの条件を満たした場合です。

  1. 相手やその親族の
  2. 生命、身体、自由、名誉、財産に対して
  3. 脅迫すること
条文を見る

刑法222条(脅迫)
① 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する。

② 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

脅迫の対象:相手本人・親族

脅迫罪は、相手本人に向かって相手本人を脅した場合だけではなく、相手の親族に危害を加えると脅した場合にも成立します。

この親族の範囲は、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族とされています(民法725条)。

相手本人に対して脅迫罪が成立するか?
脅す相手危害を加える相手脅迫罪
相手本人相手本人成立
相手本人親族成立
相手本人友人不成立

害悪の対象:生命・身体・自由・名誉・財産

脅迫罪が成立するためには、生命・身体・自由・名誉・財産に対して害を加えること旨告知する必要があります。

次の表がそれぞれの具体例になります。

害悪の具体例
生命「お前のことぶっ殺すから心の準備しとけよ」
身体「お前の骨の1本や2本くらい折ってやろうか」
自由「お前を拘束して、外に出られないよう閉じ込めてやるからな」
名誉「お前が不倫してたことをネットに晒すから覚悟してろよ」
財産「お前の営業先でお前の悪い噂を言いふらしてやる」

脅迫行為:畏怖させる程度の害悪告知

脅迫行為とは、人を畏怖させる程度の害悪を告知することを言います。要するに、人が怖がるレベルの脅しをすると言う意味です。

ですので、単に不快に思われる程度の発言、気味悪い程度では脅迫にはなりません。

ただし、脅した相手が実際に恐怖していなくても、普通の人の目線で考えて恐怖するレベルの脅しであれば、脅迫罪が成立します。

また、加害の内容は、ある程度具体的で実際に起こる可能性がなければなりません。

ですので、「神の力でお前を殺してやるからな」と言っても、実現可能性はないので脅迫にはなりません。

脅迫行為の判断基準
程度脅した相手ではなく、一般の人から見て恐怖を感じるかどうか
内容ある程度具体的に危害の内容を伝える必要がある
実現可能性実際に危害が起こせると思わせる内容を伝える必要がある
方法口頭、文章、録音、メール、SNS、ネットの書き込み、人づてなど、どんな手段でもよい

脅迫罪の公訴時効

脅迫罪の公訴時効は3年です。

犯行が終わった時点からカウントされます。この期間を過ぎれば起訴されることはありません。

しかし、3年という月日を気にしながら生活するのは、精神的にあまりにもつらいでしょう。

あなたの精神の安定のためにも、お早めに弁護士に相談することをお勧めします。

刑事手続の流れ:逮捕か、在宅か

刑事事件には大きく分けて「身柄事件(逮捕)」「在宅事件(在宅捜査)」の2つのルートがあります。

身柄事件(逮捕されるケース)

身柄事件とは、逮捕勾留されるケースのことを指します。

脅迫罪で逮捕されるのは、通常逮捕のケースが多いでしょう。この場合、一般的には早朝(平日の朝7時など)に警察が自宅に来て、逮捕状を示されたうえ連行されます。

逮捕されてしまうのは、次の2点が疑われるからです。

疑われる事情
証拠隠滅の疑い・犯罪に使用した物を隠滅
・事件に関係する物を隠滅
・被害者や事件関係者と接触
逃亡の疑い・生活が不安定
・刑事処罰を恐れて逃走

特に脅迫罪の場合、被害者に対する憎しみなどを理由に脅してしまうケースが多いでしょう。このようなケースでは加害者と被害者に面識があり、互いに接触可能な状態と言えることから、警察に証拠隠滅が強く疑れてしまいます。

逮捕は最大3日間であり、逮捕に引き続いて勾留されることになれば追加で10日〜20日間の身柄拘束が継続します。つまり合計23日間です。

その後、検察官により終局処分(起訴・不起訴を決める)があります。

身柄事件となってしまった場合には、できるだけ早く弁護士に依頼して、早期釈放を試みましょう。

逮捕阻止の弁護活動

未然に逮捕を阻止したいと考える方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合には逮捕阻止活動をすることをおすすめします。

逮捕阻止活動とは、弁護士と一緒に警察に出頭(自首)をして、意見書や誓約書などを提出して、「証拠隠滅や逃亡しないこと」をアピールする活動です。

このような活動をして、逮捕を回避する確率を高めることが有益であると考えられます。

在宅捜査(日常生活を送れるケース)

  • 証拠(SNSのメッセージ、録音や動画など)が確保されており証拠隠滅のおそれがないケース
  • 加害者本人が容疑を認めて、任意出頭に応じているケース
  • 加害者と被害者に直接の面識がないケース

このような事案では、「在宅捜査」になることも十分に考えられます。

「在宅捜査」の場合、普段通り生活しながら、警察からの呼び出しに応じて取り調べを受けます。

ただし、逮捕されていないだけで、捜査されていることに変わりはなく、ゆくゆく検察官の終局処分が待っています。

自ら積極的活動をすることなく、そのまま手続が進めば刑事処罰(前科)が待っています。

ご自身の人生の将来リスクを最小限に抑えたい場合には、在宅事件であっても早めの対応が求められます。

刑事処罰の内容と量刑相場

刑事処罰の内容

脅迫罪の法定刑は「2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」です。

この法定刑の範囲内で、その事件に相応しいとされる刑事処罰が決まります。

量刑の相場

初犯であったり、比較的悪質性の低い事案の場合には、略式罰金10万円〜30万円となることが多いと考えられます。

ただし、今までに前科があったり、執拗な脅迫行為であったり、被害者の被害状況が大きいなどの事情があると、刑事裁判が開かれることもあるでしょう。

事案の性質結果
初犯・軽微事案略式罰金
前科あり・悪質執行猶予 or 実刑
罰金刑も注意が必要

「罰金なら払えば終わりだ」と考えるのは危険です。

罰金刑も立派な「前科」です。
罰金刑を受けると、国家資格によっては資格の剥奪や停止、資格取得禁止、海外渡航不可、就職・転職時のリスクなど、その後の人生に影響する可能性があります。

示談のメリットと示談金相場

示談の圧倒的なメリット

脅迫罪において「示談」は、処分結果に有利な影響を与える事情です。主なメリットは次の3点です。

  1. 不起訴処分の獲得
    示談をすることにより、被害者が「刑事処罰を望まない(宥恕条項)」と述べる、不起訴になる可能性が高まります。
  2. 釈放の促進
    逮捕勾留されている場合、示談の成立により釈放される可能性が高まります。
  3. 民事的解決
    示談により清算の合意をすると、後から慰謝料を請求されるリスクをなくなります。

不起訴処分を獲得には示談が必須です。

先ほど確認したように、たとえ初犯であっても、示談がなければ刑事処罰を受けるのが通常です。初版でも前科が付きます。

もし前科を回避したいのであれば、弁護士に依頼してできるだけ早く示談交渉に取り掛かりましょう。

示談金の相場

脅迫罪における示談金の相場は、一般的に10万円〜50万円程度です。

ただし、示談金額は、犯行の悪質性、被害者の精神的苦痛の程度、被害者とのこれまでの関係、相手の社会的地位、実害の有無などによって変動します。

よくあるQ&A

「殺す」と言ってしまったが、殺意は全くなかった。それでも罪になる?

なります。

脅迫罪は相手に対して生命に危害を加えることを告げると成立する罪であり、実際に殺人行為をするかどうかは関係ありません。

一般の人目線で身の危険を感じるほど恐怖させる発言であれば、実際に危害を加えるつもりがなくても罪に問われます。

警察から呼び出しの電話が来た。無視してもいい?

呼び出しに応じた方が良いです。

呼び出しを無視し続けると、警察から「逃亡のおそれ」を疑われ、逮捕されるリスクが増大します。

できるだけ早めに折り返し電話をしてください。

犯罪被害を受けたので、相手に「警察に訴えるからな」と脅してしまった。脅迫罪になる?

脅迫罪になる場合があります。

被害申告や告訴等の適法行為を告知することは原則として脅迫になりません。

しかし、本当は告訴する気がないのに、相手を怖がらせる目的で発した言葉であれば脅迫罪になり得ます。

被害者と知り合いです。直接連絡して示談交渉してもいいですか?

直接連絡することは控えてください。

直接連絡することは、罪証隠滅を疑われる行為であり、逮捕のリスクが高まります。

また、事件の当事者間で話をすると、更なるトラブルを招き、被害感情を害します。

示談交渉は弁護士に任せるべきです。

脅迫事件は福岡弁護士法律事務所にご相談を!

脅迫罪で捜査を受けているあなたは「人生の分岐点」に立っています。

放置すれば、ある日突然逮捕される可能性もありますし、刑事処罰を科されてしまします。刑事処罰を受ければ、「前科者」というレッテルを一生背負い続けることになります。

「あの時、専門家に相談していれば…」と後悔する前に、福岡弁護士法律事務所へお電話ください。

当事務所の弁護士は、刑事事件の経験実績が豊富です。これまでも福岡・九州で刑事弁護活動に注力し、皆さまから数多くのご依頼を受けてきました。

  • 仕事を失いたくない
  • 捕まりたくない
  • 前科を阻止したい

これらの希望をお持ちの方は早めのご相談をおすすめします。

加害者の方々は、強い非難を浴びることが多いでしょうが、私たちはその想いを受け止め、寄り添います。

まずは無料相談の電話予約から。
あなたの日常を取り戻しましょう。

この記事を書いた人

成瀬 潤のアバター 成瀬 潤 福岡弁護士法律事務所 共同代表弁護士

【学歴】
・法政大学第二高等学校
・法政大学法学部法律学科
・中央大学法科大学院
・司法試験(68期)合格

【経歴】
・某A法律事務所新宿支部にて勤務
・某A法律事務所福岡支部長に就任
・福岡弁護士法律事務所の共同代表弁護士に就任

【プロフィール】
大学時代に、尊敬する故・木谷明氏(元裁判官・弁護士)から刑事法を学び、刑事弁護士になることを志す。弁護士登録後は、刑事弁護人としての活動を重点的に行い、これまで受けた刑事事件の相談件数は2000件を超える。刑事事件のほか、交通事故事件・離婚事件・男女トラブルに注力する。座右の銘は「至誠通天」。

【弁護士からのメッセージ】
刑事事件の当事者は、家族や友人も打ち明けることもできず、不安な日々を過ごされていると思います。そのような時こそ、味方となるのが弁護士です。一人で抱え込まず、弁護士にご相談下さい。あなたに寄り添い、全力でサポートします。

【弁護士情報】
・福岡県弁護士会所属(登録番号:52748)

【メディア出演】
・フジテレビ「直撃LIVE グッディ!」
・フジテレビ「めざましテレビ」
・KBC九州朝日放送「土曜もアサデス。」

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