【淫行】未成年とのわいせつ行為|罰則の内容や量刑相場、不起訴の可能性を解説

「18歳未満だと知らなかった」
「同意があったから大丈夫だと思っていた…」

そんな言い訳が通用しないのが、淫行事件(福岡県青少年健全育成条例違反)の恐ろしさです。

警察から連絡が来た、あるいは「近いうちに発覚するのではないか」と怯えていませんか?
逮捕されたり実名報道された場合、仕事も家族も、築き上げてきた平穏な日常も一瞬で崩れ去る可能性があります。

そんな不利益が現実のものとならないように、今すぐ適切な行動を取って、最悪の事態は回避しましょう。

この記事では、福岡県で淫行事件の加害者となってしまった方が、前科を避け、日常生活を取り戻すために必要な内容を凝縮しました。今後の参考にしてください。

この記事で分かること
  • 淫行の罪が成立する条件と時効
  • 淫行事件の捜査の流れ
  • 淫行事件の罰則、処罰の相場
  • 前科を阻止するための示談の重要性と示談金額相場
目次

淫行の成立要件

はじめに

淫行の罪は、各都道府県が定める「青少年健全育成条例」によって処罰されます。福岡県では、福岡県青少年健全育成条例が適用されます。

福岡県青少年健全育成条例の淫行の規定は次のとおりです。

条文を見る

(いん行又はわいせつな行為の禁止福岡県青少年健全育成条例第31条1項

何人も、青少年に対し、いん行又はわいせつな行為をしてはならない。

淫行の罪は次の2つの条件をすべて満たした場合に成立します。

  • 青少年に対して
  • いん行又はわいせつな行為をすること

では、各要件の内容を詳しく確認していきます。

青少年に対して

淫行の罪は、「青少年」との間で淫行又はわいせつ行為をすることで成立します。

この「青少年」とは、18歳未満の者を言います。

ですので、18歳の高校3年生との性交渉は、淫行とはなりません。

淫行又はわいせつ行為をすること

次に、淫行又はわいせつ行為をすることが必要です。

「淫行(いん行)」とは、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為を言います(最高裁昭和60年10月23日判決「福岡県青少年保護育成条例違反被告事件」)。

「わいせつ行為」とは、性欲を刺激し、興奮又は満足させ、かつ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為を言います。

なお、淫行は、相手である青少年の同意があっても罪が成立します。

なぜなら、青少年は心身の未成熟さから、性行為等によって精神的な痛手を受けやすく、成人と比較してその痛手から回復することが困難であるという性質から、青少年の健全な成長を阻害する行為を禁止して、青少年保護を図ることを目的としているからです。

年齢の知情性:年齢の不知は通用しない

淫行事件では、年齢の知情性がよく問題となります。つまり、「18歳未満であるとは知らなかった」「18歳以上だと思っていた」という主張です。

果たして、この主張は通用するのでしょうか?

福岡県青少年健全育成条例にはこのように規定されています。

第26条第1項、第31条、第32条から第33条まで又は第34条第2項の規定に違反した者は、青少年の年齢を知らないことを理由として、第1項、第2項及び第5項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときはこの限りではない。

福岡県青少年健全育成条例第31条8項

淫行規定(条例第31条)については、青少年の年齢を知らなかったとしても、処罰できることにしています。つまり、「18歳未満だとは知らなかった」という主張は通用しないのです。

ただし、相手が18歳未満であると知らなかったことについて「過失のないとき」は処罰されません。

18歳未満だと知らなかった場合
原則淫行の罪が成立
例外過失がなかったときに限り犯罪不成立

この「過失がないとき」に該当するのは、ごく限られた場面のみになります。

例えば、免許証やマイナンバーなどの顔写真付きの身分証の提示を求めて確認したが、相手が身分証を偽造していたので18歳以上だと誤信した場合などが考えられます。

相手に年齢を尋ねて確認しただけでは、「過失がない」とは認められません。

公訴時効

淫行事件の公訴時効は3年です。

ただし、一般的には、青少年が補導されたり、親バレしたり、他の男性との淫行事件が発覚して芋づる式に発覚したりして、1年以内に警察が自宅に来るケースも少なくありません。

淫行事件の捜査の流れ

刑事事件では、在宅事件身柄事件のいずれかの方法で捜査が進行します。

在宅事件(在宅捜査)とは、身柄を拘束されないで捜査が進む場合です。この場合には、問題なく日常生活を送ることができます。ただし、警察から呼び出しを受けた場合には、任意で出頭し取調べを受けることになります。

身柄事件とは、身柄を拘束(逮捕・勾留)されながら捜査が進む場合です。この場合には、警察の留置施設で生活しながら検察官の終局処分を待ちます。

最近の傾向を見ていますと、淫行事件であっても在宅事件となるケースが増えている印象です。

ただし、在宅事件であっても、捜査当初に家宅捜索を受け、その後在宅事件で任意の取調べを受けるというケースもあり、警察が家に来るケースも想定しておかなければなりません。

また、青少年の連絡先を知っていて、やり取りができる状態であったり、単身で移動が容易にできるなどの理由から、証拠隠滅や逃亡を疑われるケースでは身柄拘束されることも十分に考えられるのが淫行事件です。身柄拘束されてしまった場合には早期釈放を検討しましょう。

淫行事件の罰則と処罰の相場

罰則の内容

福岡県青少年健全育成条例には、淫行の罪を犯した場合には「2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する」(条例第38条1項)と規定されています。

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(罰則) 第38条1項(抜粋)

次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。

一 第31条第1項の規定に違反した者

二 第33条の規定に違反して、同条第1号又は第3号から第5号までに掲げる行為をする場所を提供し、又は周旋した者

量刑相場

初犯の場合には、略式罰金になることが多いです。

読者の中には「罰金で済むならいいや」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、略式罰金もれっきとして有罪判決です。前科も付きます。

また、国家資格を用いて仕事をしている人は特に注意が必要です。資格の種類によっては、罰金を受けると資格を剥奪される可能性があります。

不起訴の可能性

示談の重要性

淫行事件を起こしてしまった場合であっても、被害者との間で示談をすることで不起訴になる余地が生まれます。

検察官によっては、青少年保護を重視して示談をしても略式罰金とすることがあります。

しかし、多くのケースでは、被害者と示談をすることで不起訴(起訴猶予)となります。

示談をしない場合には、不起訴は絶望的です。
しかし、示談をすれば、不起訴の可能性が高まります。

であれば、示談を試みない手はありません。

示談金の目安

淫行事件の場合、50万円〜100万円が示談金の目安と考えられます。

淫行事件の場合、他の事件と異なり、示談交渉の窓口が被害者のご両親になります。

当然のことですが、一般的にご両親は被害を受けたことに強いショックを受けると共に、犯人に強い憤りを感じています。誠心誠意謝罪の気持ちを表すことが重要です。

よくあるQ&A

相手が「18歳以上だ」と嘘をついていました。それでも罪になりますか?

多くのケースでは、年齢を知らなかったことについて過失が認められて、淫行罪が成立することが多いでしょう。

しかし、18歳未満であることについて「過失がなかった」と主張する余地はあります。

詳しくは弁護士に相談して、ご自身の主張を固めてください。

相手に対価としてお金を支払っていた場合はどうなりますか?

その場合には、児童買春という罪になります。児童買春は淫行よりも重く、5年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処せられます。

相手と真剣に交際をしていました。それでも罪になりますか?

淫行の罪に該当するのは、①青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為、又は②青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為です。

ですので、真摯に、真剣に、交際していたと言える場合には、淫行の罪には該当しません。

しかし、「真剣に交際」と言えるためには、すでに婚約中であったり、結婚を前提に相手の両親へのご挨拶を済ませているなど、真剣交際を裏付ける事情が必要です。

「将来結婚しよう」と口約束しただけでは真剣交際とは認められません。

福岡で淫行事件に悩むあなたへ

この記事では、淫行事件について詳しく解説をしました。そして、不起訴(前科回避)を獲得するためには、示談が重要であることがお分かりいただけたと思います。

示談をするにあたっては、被害者のお気持ちをこれ以上悪化させないことが重要です。
被害者本人はもちろん、ご両親も心を痛めているでしょうから、できるだけ早く謝罪とお詫びの気持ちを示しましょう。

そして、謝罪やお詫びをするには、弁護士のサポートが不可欠です。
被害者と話ができるのは、弁護士に限られるからです。

福岡弁護士法律事務所では、これまで淫行事件や児童買春事件などの未成年者に対する事件に注力してきました。

不安で押しつぶされそうな今こそ、勇気を出して弁護士に相談してください。
私たちが親身になって、あなたの相談にお乗りします。

この記事を書いた人

成瀬 潤のアバター 成瀬 潤 福岡弁護士法律事務所 共同代表弁護士

【学歴】
・法政大学第二高等学校
・法政大学法学部法律学科
・中央大学法科大学院
・司法試験(68期)合格

【経歴】
・某A法律事務所新宿支部にて勤務
・某A法律事務所福岡支部長に就任
・福岡弁護士法律事務所の共同代表弁護士に就任

【プロフィール】
大学時代に、尊敬する故・木谷明氏(元裁判官・弁護士)から刑事法を学び、刑事弁護士になることを志す。弁護士登録後は、刑事弁護人としての活動を重点的に行い、これまで受けた刑事事件の相談件数は2000件を超える。刑事事件のほか、交通事故事件・離婚事件・男女トラブルに注力する。座右の銘は「至誠通天」。

【弁護士からのメッセージ】
刑事事件の当事者は、家族や友人も打ち明けることもできず、不安な日々を過ごされていると思います。そのような時こそ、味方となるのが弁護士です。一人で抱え込まず、弁護士にご相談下さい。あなたに寄り添い、全力でサポートします。

【弁護士情報】
・福岡県弁護士会所属(登録番号:52748)

【メディア出演】
・フジテレビ「直撃LIVE グッディ!」
・フジテレビ「めざましテレビ」
・KBC九州朝日放送「土曜もアサデス。」

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