【保釈を通す】保釈の種類や許可されるポイント、保釈金について福岡の弁護士が解説!

「ご家族が突然逮捕され、起訴されてしまった……」「いつになったら帰ってくるのか」と、不安で押しつぶされそうな日々を過ごされているご家族の皆様。そのお気持ち、お察しいたします。
起訴前の勾留に引き続き、起訴後の勾留が長引けば、ご本人は精神的に耐えられないでしょう。また、勾留されたままの裁判準備は非常に効率が悪く、十分な準備ができないまま裁判に臨むことになります。
しかし、そんな状況を打破する手段が「保釈」です。
本記事では、福岡の刑事事件に精通する福岡弁護士法律事務所が、保釈を成功させて大切な人の日常生活に取り戻すための情報を徹底解説します。
- 保釈を請求できるタイミング
- 保釈の種類
- どういう場合に権利保釈が認められるか
- どういう場合に裁量保釈が認められるか
- 保釈の申請から実際に釈放されるまでの流れ
保釈とは?
保釈とは、保釈金を裁判所に担保として納付することを条件に、勾留を一時的に解く身柄解放制度です。
保釈は、身柄拘束されている家族や友人、知人が自宅に帰り、社会復帰を進めるために非常に重要な身柄解放手段ですので、積極的に使わない手はありません。
いつから申請できるの?
保釈は起訴後から申請が可能になります。
刑事事件は、警察が捜査を開始後、在宅事件か身柄事件のいずれかの流れで手続が進みます。
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保釈を必要としているケースは通常、身柄事件で捜査が進んでいて、勾留された状態で起訴されてしまっている状況でしょう。
そして、勾留された状態で起訴されると、自動的に勾留が継続します。これを被告人勾留と言います。
実務上、被告人勾留は、保釈が認められない限り、裁判が終了するまで拘束されるのが一般的です。
そうすると、逮捕から23日間身柄拘束された上に、さらに1〜2ヶ月の身柄拘束が続くのです。
ですから、1〜2ヶ月追加で身柄拘束されるのを阻止するために起訴後すぐに保釈を請求して、社会復帰を果たすべきです。
保釈にはどんなメリットがある?
保釈には、次のようなメリットがあると言えます。
精神的な安定を取り戻せる
逮捕から勾留の最大23日間を身柄拘束されて、警察の留置施設で生活している方は、社会から隔絶されて警察のスケジュールに従って行動しなければなりません。
スマホや娯楽もありません。お風呂は週に2回しか入れず、体調が悪くても簡単に病院には連れて行ってくれません。そのような過酷な環境で生活をしています。
精神的に追い詰められてしまうのも当然でしょう。だからこそ、普段の人間らしい生活を取り戻し、精神的に安定してもらうために保釈を通して帰宅する必要があります。
裁判準備を入念に行える
警察の留置施設や拘置所の中では、環境的時間的制約から十分な裁判の打ち合わせができません。
自分の将来を決める裁判を準備不足のまま迎えることは非常に不安でしょう。
しかし、保釈が通れば、弁護士と法律事務所で十分な打ち合わせを時間の制限なく、何回でも行えます。
社会復帰をいち早く進められる
保釈が通れば、保釈条件を遵守するほかは自由な生活が送れます。仕事をしてもいいですし、学校に行ってもOKです。
就職活動をする人もいれば、早々に仕事を始める人もいます。このように、保釈が認められれば裁判が終わる前に人生のリスタートが切れるわけです。

保釈の種類
保釈には3種類ある?
非常に重要な意味を持つ保釈ですが、保釈には3種類あります。保釈の種類により認められる条件が異なります。
- 権利保釈(刑訴法第89条)
- 裁量保釈(刑訴法第90条)
- 義務的保釈(刑訴法第91条)
このうち義務的保釈は、不当に長い拘禁があった場合という限られた条件での保釈になるので、刑事実務上ほぼ使いません。
ですので、皆さまが目指すべき保釈は、①権利保釈と②裁量保釈です。
権利保釈はどんな場合に認められる?
権利保釈とは、一定の事情がある場合を除き、身柄拘束者(被告人)の権利として認められる保釈のことです。
ですので、原則保釈が認められますが、例外的に一定の事情がある場合には保釈が否定されるという枠組みになっています。
そこで肝心なのが「一定の事情とは何か?」ということです。これは法律に列挙されています。次のとおりです。
- 死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる罪を犯した場合
- 前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える拘禁刑に当たる罪でに有罪になったことがある場合
- 常習として長期3年以上の拘禁刑に当たる罪を犯した場合
- 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
- 被害者や事件関係者、その親族の身体や財産に害を加えたり、 畏怖させる行為をすると疑われる場合
- 氏名又は住居が分からないとき
条文を見る
刑訴法第89条【必要的保釈】
保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したものであるとき。
二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える拘禁刑に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三 被告人が常習として長期三年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したものであるとき。
四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。
これら①〜⑥の事情のどれか一つでも当てはまるものがあると権利保釈は認められません。

この①〜⑥の中でも最も問題となるのが、④証拠隠滅の恐れです。なので、保釈を通すためには、証拠隠滅のおそれがないことを説得的にアピールすることが欠かせません。
裁量保釈が認められるポイントは?
権利保釈が認められなかったとしても、裁量保釈が認められる場合があります。
そして、裁量保釈は、次の事情を総合的に踏まえて、適当と言える場合に認められます。
- 証拠隠滅や逃亡をするおそれ
- 身柄拘束の継続により受ける健康上、経済上、社会生活上、裁判準備上の不利益の程度
- その他の事情
要するに、①証拠隠滅や逃亡する疑いの程度と、②身柄拘束の継続により身柄拘束されている人が受ける健康上、経済上、社会生活上、裁判準備上の不利益の程度を比較して、②身柄拘束されている人が受ける不利益の方が大きければ裁量保釈が認められます。

権利保釈と同様、証拠隠滅する可能性が小さいこと、また逃亡する可能性が小さいことを説得的にアピールすることが重要です。
保釈にはお金が必要なの?
保釈の許可決定が下りても、保釈金を納付しないと外に出ることができません。
保釈金とは、裁判への出廷を確実にするために、裁判所に預ける担保です。きちんと裁判に出廷して無事に判決まで迎えれば保釈金は返ってきます。
しかし、保釈後に逃亡して裁判をバックれてしまうと、保釈金が没収されてしまいます。
保釈金の相場は150万円〜200万円であり、事件の性質(悪質性が高い、重大犯罪であるなど)、保釈中の居住場所(裁判所から遠い)、その人の資力(裕福である)などの事情により金額が前後し、より高額になるケースもあります。
保釈金は借りられる?
保釈金が用意できない場合、日本保釈支援協会に申請をすると保釈金を立て替えてもらえる場合があります。
審査がありますので、絶対に借りられるわけではありませんが、保釈金をご用意できない場合には検討してみる価値はありそうです。
保釈の申請から結果が出るまでのスケジュールは?
保釈は起訴後から申請が可能です。では、保釈を申請したらいつ結果が出るでしょうか?
保釈のスケジュールを確認しましょう。
保釈は起訴後に申請可能となりますが、保釈を認められやすくするには事前準備が必要です。
身元引受人を用意して、どこに帰るのか住居を決め、保釈申請のための資料作りが必要になります。
著者の場合には、勾留最終日の起訴から逆算して、家族と打ち合わせを進め、余裕を持って環境整備と資料作りを行います。
勾留最終日に起訴されたことが確認できたら、保釈請求書を裁判所に提出します。
保釈請求書が受理されると、裁判所は検察官に対して保釈に関する意見を聞きます。これを求意見と言います。
要するに、検察官に「保釈を認めてもいいと思うか?」と質問をするのです。
検察官の意見は、「しかるべく」「相当」「不相当」などがあります。
「しかるべく」は裁判官の判断に委ねるという意味、「相当」は保釈を許可してもいいという意味、「不相当」は保釈は却下されるべきという意味です。
その後裁判官が保釈の是非を審査します。保釈の申請から結果が出るまでには2〜3日を要します。
裁判官の審査の上、保釈が許可されたら決定した保釈金を納付します。保釈金額は最終的に裁判官が決定します。
ただ、保釈金が相場より高い場合には、保釈決定前に裁判官から弁護士に電話があり、保釈金を出せるかどうか打診があることが多いです。
弁護士が裁判所に保釈金を納付すると、しばらくして釈放されます。
よくあるQ&A
保釈の相談はお早めに!
保釈は、弁護士と家族との事前打ち合わせ、入念な準備がなければ許可を得るのは難しいでしょう。
また、保釈金の準備も必要ですし、事前に弁護士に預けておかないと手続が滞ります。
保釈時には、どこに迎えに行けばいいのか、何時ごろに迎えに行けばいいのかなど悩みは尽きません。
そんな時に頼りになるのが弁護士の存在です。刑事事件が得意な弁護士であれば、事前準備、保釈金の案内、お迎え時のアドバイスなどお悩みを解消してくれることでしょう。
福岡弁護士法律事務所の弁護士は、福岡・九州の刑事事件を得意としています。相談は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。





